前回は簿記と会計の関係・区別を中心にお話ししました。今回は、前回の中で、でてきた「財務会計」と「管理会計」についてお話します。
▼財務会計|▼管理会計|▼財務会計と管理会計の関係
財務会計とは、制度会計とも呼ばれ、商法や税法等で一定の帳簿作成が義務づけられているもので、外部に報告するものです。これに対し管理会計とは、企業の経営管理に役立つ資料を作成するための会計をいい、企業内部の経営者などに報告されます。
簡単に言うと、前者は法律で作成が義務づけられているもので、一般的には、会計事務所に依頼して作成している決算書などのことです。後者は企業の経営管理に役立つ資料のことで作成は企業の自由です。
このように会計(企業情報)を企業外部で利用するか、企業内部で利用するかの違いがあります。
では、管理会計で企業の経営管理に役立つ資料とはどんな資料のことをいうのでしょうか、具体的には、設備投資計画など意思決定に役立つものと、利益計画、予算統制、標準原価計算など業績の評価に役立つものがあります。
このように考えると、経営者に本当に必要な会計は、税務署等に出す決算書、いわゆる財務会計ではなく、企業内部での経営管理のための管理会計であることがお分かり頂けたと思います。
また以上から、管理会計について下記のことが分かると思います。
おさらいの意味で会計の種類を簡単に図示します。財務会計、管理会計の違いを理解して頂けますでしょうか。
このように、会計は大別して2ツあることがお分かり頂けたと思いますがまったく別物で、おたがいにつながりもなく、別々に作成しなければいけないのでしょうか?
そうではありません。両者は相互に補完の関係にあります。例えば、損益計算書を作成するために、売上原価の集計や期末棚卸資産を評価します。これらの会計データは、管理会計における標準原価計算などがもとになっています。
また、経営計画をたてる場合には、過去の実績をもとにして、実現可能性のある目標を設定し経営計画を作りますから、財務会計の観点からの、実績分析、経営計画、資金的裏付けが必要になります。なぜなら、その企業に見合ったものでなければ、絵に描いた餅ですから。
これで、両者は密接に結びついていることがお分かりいただけたと思います。
実現可能性のある事業計画書を作るためにも、財務会計での日々の正確な、かつタイムリーなデータ入力が必要であり、その仕組みづくりが企業の将来をも左右するといっても過言ではないでしょう
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