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税ってなんだろう

「この世で確実なのは、死と税金だけである。」

ーアメリカ建国の偉人ベンジャミン・フランクリン【政治家・作家/米】の言葉です。また、

「人生には、避けられないものが2ツある。ひとつは、死。そしてもうひとつは、税金である。」

・・・・というアメリカの言葉があるように,人は生まれてから死ぬまで「税」と関わっていかなければならないようです…

あの悪名高いギャング、「アル・カポネ」が逮捕されたのは、脱税のためだったというのをご存知でしたか。懲役11年と巨額の罰金を宣告され、最後は「無一文で死んだ」そうです。

最初から驚かせてしまいましたが、「税」が死と同じくらい避けがたいものであるとするならば、「税」について知りたいとは思いませんか?
というわけで、「税務」の入門シリーズを始めるに当たって、まず最初に「租税」、「税」、「税金」の定義について少しお話しします。

「税」ってなんでしょう・・・・まず、広辞苑で調べてみましょう。

【租税】
 (1)みつぎもの、年貢、(2)国家または地方公共団体が、その必要な経費を支弁するために、国民から強制的に徴収する収入。
【税】
 国費・公費支弁のため、国家・地方公共団体の権力によって、国民から強制的に徴収する金銭など。
【税金】
 租税として納める金銭。

とあります。正確に言うと、租税、税、税金はそれぞれ若干違うのですが、解りやすいようにここでは同じものとして理解しておいて下さい。

では次に、国税庁の考え方はどうでしょう、
「私たちの税金」(大蔵財務協会)では

「税金は、民主主義国家の国民にとって、共同社会を維持するための、いわば会費であるということができるでしょう」

と書かれています。
また、国税庁のホームページでも、

「税金は国や地方公共団体が活動するための大切な財源であり、共同社会を維持するためのいわば会費」

である。と説明しています。

このように、税金とは「いわば会費」であるという言い方がよくされます。

いずれにしても、集められた税金の多くが国民生活に役立っていることは確かですが、使途については、まだまだ無駄がたくさんあるのではないでしょうか。
そういう意味では、「税金とは、政府や地方自治体に徴収されるお金」、という定義の方がより実感に近いのかもしれません…

「税金」は納めなくてはならないと理解はしているものの、その徴収方法に不公平感があり、その活用についても不透明感がある。そう感じているのが一般的な国民感情でしょう。
そして、その責任の一端は、歳費(報酬)を貴重な税金から受け取っている政治家の姿勢にあると言っても過言ではないでしょうか?
くれぐれも国民の納得がいくよう有効な使い方をしてほしいと思いますよね、皆さん…
政治家の皆さんどうでしょうか…

そして、納税者についても、およそ1800年かかってDNAに刻まれた、日本人の農耕民族的納税意識(脱税指向)を変えてゆくのは大変なことです。

でも、誰かがやらなくてはということで、全国の税理士会では地域の「租税教育推進協議会」を窓口として、小、中、高校の授業に税理士を派遣し、正しい租税観を育てるため租税教室を行っています。「租税正義」(社会正義)を実現し、みんなで住み良い社会を作るために頑張りましょう。

one for all. all for one!
ひとりは、みんなのために、みんなは、ひとりのために

もう少し勉強したい方のために、租税法という学問上からの定義を紹介し、今回のお話を終わります。次回は、いよいよ「租税の歴史」に入って行きます。

以下の文章は、租税法要論(山本守之著1.2頁・税務経理協会)からの抜粋です

1.租税の意義

一般的には、「国家が、特別の給付に対する反対給付としてではなく、公共サービスを提供するための資金を調達する目的で、法律の定めに基づいて私人に課する金銭給付である」(「租税法(第5版)」金子宏著9頁、弘文堂)とされている。実は、わが国の租税法規において租税を定義したものはない。

ドイツ租税通則法では、「租税とは、特別の給付に対する反対給付ではなく、法律が給付義務をそれに結びつけている要件に該当するすべての者に対し、収入を得るために公法上の団体が課する金銭給付をいう。」と規定している。しかし、これなどは租税法規において租税を規定している稀な例といってよい。

租税法規において租税自体の定義を置かないのは、実定法上租税の定義を規定する実益がほとんどないからであろう。実定法では、それぞれの規定によって適用される租税の意義を個別的に明らかにすればよく、租税全体の意義を必要としないからである。と言れています。

アメリカのIRS(内国歳入庁)の建物には、オリバー・ホームズ裁判官が判決文の中で示した「租税とは文明社会の対価である」という言葉が刻まれている。これはアングロ・サクソン系の国々に根強く残っている租税の根拠論の中の利益説又は対価説を根源とするものです。

入門シリーズを始めるに当たり税のテーマでは、一番最初に持ってくるのはこれしかないと考えていました。ところが、簡単なようで、いざ始めると日本の税についての情報は多くありましたが世界の税の歴史について書かれたものは、あまりなく資料集めに時間を費やしてしまいました。

H.15.4.9

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